この記事で解決できるお悩み
台風や梅雨の時期になると、片頭痛やめまいなどの体調不良に悩まされる方もいるのではないでしょうか?それは、年々発症する人が増えている「気象病(天気頭痛)」かもしれません。
この記事では、天気や気圧による頭痛の治し方や、効果的な対策などについて詳しく解説します。
気象病の概要

気象病は、天候・気象の変動によって体に不調をきたす疾患のことです。症状や原因について詳しく見ていきましょう。

気象病は一般的な呼び名であり、正式な病名ではありません。
気象病の症状
気象病の主な症状は下記の通りです。
- 頭痛、めまい、耳鳴り
- 首や肩のこり
- 関節痛、腰痛、神経痛、歯痛
- 古傷の痛み
- 吐き気
- 喘息
- 疲労感、倦怠感、統合失調症等
人によって症状は異なりますが、最も多く見られる症状は頭痛です。
また、天候や気象による影響が消えたあとも体調が回復せず、2~3日ほど症状が残る人も少なくありません。
気象病の原因
気象病は、気圧・気温・湿度などの変化により自律神経が乱れることで、あらゆる症状が現れるものと考えられています。
中でも多く見られるのが、気圧の低下により内耳(耳の奥にある器官)が影響を受け、気象病の症状につながるケースです。

高層ビルのエレベーターや飛行機に乗ったとき、耳が詰まったりふさがったりする感覚になりませんか?
これは、気圧の変化により内耳のセンサーが変動を感じ取っているためで、気象病でも同様の現象が起こります。
また、気温や湿度の急激な変化にも要注意です。人間の体は水分が約60%を占めており、1日で約2.5リットルの水分が出入りします。
湿度が高いと水分がスムーズに排出されず、体内に余分な量を溜め込んでしまいます。これにより、湿度が高い雨の日などはむくみが起きやすくなります。
気象病が起こりやすい時期
気象病が起こりやすいのは「梅雨」「季節の変わり目」「台風が多い時期」などです。
春
低気圧が定期的に通過
梅雨時
湿度が高く気温・気圧の変化が激しい
晩夏~秋
台風が日本へ接近
秋
低気圧が定期的に通過
冬
日本の南岸を低気圧が通過し、大きな気圧変化で雪が降る
季節の変わり目として注意すべきなのが「3~6月」と「10~12月」です。
この時期は大気の状態が不安定になり、気圧の変化が激しくなります。

前日と当日、もしくは週単位での最低/最高気温の差が7℃以上ある場合は、不調が出やすいのでご注意ください。
台風が日本に上陸する前から症状が出る?
2018年に日本列島を直撃した台風24号では、まだ接近中で本州からかなり離れていたにもかかわらず、頭痛やめまいを訴える人が続出しました。それはなぜでしょうか。

このとき本州では、フィリピン沖(本州から3,000kmの距離)の超大型台風から生じた、ごくわずかな気圧変動が確認されました。
気圧の変化は微小でも、速いスピードでしきりに繰り返されることで、気象病に敏感な人には影響が及ぶと考えられています。
気象病になりやすい人
気象病になりやすい人の特徴として、下記の例が挙げられます。
- 男性より女性が多い傾向にある
- 乗り物酔いしやすい
- 不規則な生活を送っている
- 食生活が乱れている
- 睡眠不足
- 運動不足
- ストレスを溜め込んでいる 等
気象病の発症は耳以外に、骨格のゆがみや体の凝りなども関係しています。
例えば、猫背やストレートネック(長時間のスマホ操作やPC作業により首の骨が真っすぐになった状態)は、無意識のうちに疲労を蓄積し、気圧の変化を感じやすくなります。

現代では、常に暖房や冷房が効いた快適な環境で過ごす人が少なくありません。
そうなると、温度変化や湿度変化に体が適応しづらくなり、暑いのに汗をかけないなど、自律神経が乱れやすくなります。
気象病になったときの治し方

気象病・天気頭痛になった場合の対処法としては、下記の方法が挙げられます。
- 睡眠や休息をとる
- 頭痛薬・酔い止め薬を飲む
- 漢方薬を処方してもらう
- マッサージをする
- 病院へ行く
もし病院で診てもらいたい場合は、症状に合わせて受診する科を選んでください。
症状 | 科 |
頭痛・腹痛・喘息など | 内科 |
胃痛・吐き気・嘔吐など | 消化器内科 |
めまい・耳鳴りなど | 耳鼻咽喉科 |
疲労感・倦怠感・統合失調症など | 心療内科 |
気象病にはコーヒーが効く?
コーヒーに含まれるカフェインは交感神経の働きを高めたり、血管の膨張を防いだりする効果があるため、頭痛やだるさに効果的です。
ただし摂取は1日2~3杯程度に抑え、また妊娠中やカフェインを禁止されている場合は避けましょう。
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気象病の症状は、薬の服用や病院での受診によってある程度は改善できます。しかし最も大切なのは、日頃からの規則正しい生活で体を整えておくことです。詳しくは次の項目で解説します。
気象病を予防するための根本的な対策

気象病にうまく対処するためには、根本的な生活習慣の改善が重要です。
自律神経を整える
自律神経が良好であれば、気象変化により受ける影響が最小限で済むとされています。具体的な方法は下記の通りです。
自律神経の整え方
- 毎日決まった時刻に起床し、太陽の光を浴びる
- 朝ごはんをしっかり食べる
- 昼夜のメリハリをつけ、夕方~夜は休息にあてる
- 入浴する
- 睡眠を十分にとる
腸内環境を整えると自律神経が安定するため、1日の始まりである朝食をしっかり摂りましょう。
また、寝る直前にスマホやパソコンを使うのは控えてください。自律神経が乱れ、睡眠の質や寝つきが悪くなってしまいます。

毎日同じ姿勢でパソコンに向かい続けている方も要注意。ウォーキングなどの軽い運動でも、日常的に体を動かせば気象病予防になります。
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耳の血流を良くする
気圧の影響を特に受けやすいのは耳なので、マッサージなどで血流を良くしておくと気象病の予防になります。
下記の4セットを1日3回、適度に力を加減しながら試してみてください。
- 両耳をつまんで上・下・横へ引っ張り5秒キープする。
- 耳の横をつまんで軽く引っ張りながら、後ろの方向へゆっくり5回まわす。
- 親指と人差し指で、耳を上と下からつまみ折りたたんで、5秒キープする。
- 手で耳全体を覆い、円を描くようにゆっくり5回まわす。
気象病予報アプリを利用する
「頭痛ーる」というアプリでは、気圧の変化を予測し、体調不良が起こりやすいタイミングを知らせてくれます。
どんな気象条件で不調になったのかを記録すれば、今後の体調管理にも役立つでしょう。また、天気予報や気温も確認できるので、日々の生活でも重宝します。
こちらからダウンロードできます。
これからは気象病になる人が増えるかも
近年では、猛暑や豪雨などの異常気象が頻繁に起こっており、今後もその傾向は高まると予想されてます。そうなると、急激な気象変化に対応できず、気象病になる人が増加するでしょう。
気象病になりやすいと心当たりがある方は、今のうちに日頃の生活を見直してみてはいかがでしょうか。