東京で雪が降るのは年に数回程度ですが、これまで警報が出たり大雪を観測したりしたケースがいくつかあります。この記事では、東京で大雪はいつ降ったのか、過去最高の記録、また東京での積雪の過去10年の状況について解説します。

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防災

2025年版東京の大雪記録トップ7!過去の最高記録は?

2022年12月23日

もしも東京が大雪に見舞われた場合、電車や高速道路など交通機関に大きな影響を与える可能性があります。

東京で雪が降るのは年に数回程度ですが、これまで警報が出たり大雪を観測したりしたケースがいくつかあります。

この記事では、東京で大雪はいつ降ったのか、過去最高の記録、また東京での積雪の過去10年の状況について解説します。

東京の過去の大雪記録トップ7

東京・渋谷の雪の光景

それでは、東京で過去に雪が降った日の「大雪記録トップ7」と概要を紹介します。

なお、ランキングは気象庁の資料に基づき、月最深積雪の数値が大きい順に作成しています。(統計期間:1875年6月~2023年12月)

46cm(1883年2月8日)

2024年1月時点で第1位の46cmを記録したのが、1883年(明治16年)に観測された大雪です。東京で40cm以上の積雪が観測されたのはこのときのみです。

当時の東京は気温が著しく低い傾向にありました。最低気温が常に0℃以下、かつ最高気温が10℃を超えない日々が続き、想像を絶する寒さの中で大雪に見舞われたことになります。

なお、積雪により新聞の配達が困難だったため、翌日の紙面では遅れや配り漏れについて詫びる記事が掲載されたそうです。

38cm(1945年2月22日)

広島・長崎への原爆投下や終戦などの出来事があった1945年(昭和20年)の2月に、歴代2位となる38cmの大雪が観測されています。

このときは東京だけでなく、北陸や東北の各地でも大雪に見舞われ、各地で多くの被害を生みました。

この頃から、東京の大雪記録の多くは2月に集中しているとの見解が示されました。

36cm(1936年2月23日)

第3位の36cmを観測した日と近い1936年(昭和11年)の2月26日は、大規模なクーデター事件である「二・二六事件」が発生しました。

この事件は「赤穂浪士討ち入り」「桜田門外の変」とともに、降雪中の三大事件として印象づけられています。

この年は東京でたびたび大雪が降っており、36cmを記録した2月23日以外でも、30cm超の積雪が見られた日もありました。

33cm(1951年2月15日)

1951年~1956年(昭和26年~昭和31年)頃は東京での大雪記録が集中していますが、このとき降った雪には特徴的な結晶が見られました。

雪の結晶には、針状・樹枝・立体樹枝・あられ・氷あられ・粉雪状などさまざまな形があります。

しかしこの頃の積雪では、一般的に形状が整ったものではなく、表面に雲粒が付着した「雲粒付結晶」でした。(下図参照)

31cm(1887年1月18日)

1887年(明治20年)に入り交通機関が発達すると、雪が災害として意識されるようになりました。

なぜなら、鉄道網や電力網が雪の影響で一部でも切断されたら、被害が広範囲に及ぶからです。

昭和に入り車社会が到来すると、道路の除雪をしなければ生活が成り立たないため、雪による影響はより一層深刻化しました。

30cm(1969年3月12日/1954年1月25日)

1969年(昭和44年)の3月12日、東京における3月の積雪記録としては最大の30cmを観測しました。

予想を上回る積雪で電車のポイント故障やダイヤの大幅な乱れなどが相次ぎ、各地で運行が不可能な状況に。

また、この日は大学入試が実施されており、地方から上京してきた多くの学生が影響を受けました。

27cm(2014年2月15日/1925年1月30日)

東京の大雪記録の中では最も直近の出来事である、2014年(平成26年)の大雪。

関東・甲信を中心に東北や西日本でも被害が多発し、11都件で13人が死亡、29都府県で1,498人の負傷者が発生しました。

交通網のマヒにより物流機能が低下したことで、国民の生活へ大きな影響を及ぼしました。

八王子市では、関係機関・委託業者とともに市内の大学生もボランティアとして除雪活動に参加し、日夜作業にあたりました。

東京の大雪記録上位7例

東京での過去10年間の大雪状況(2024年1月時点)

2024年1月現在、東京での過去10年間の最深積雪データは下記表の通りです。

2015年 3cm 2020年 1cm
2016年 6cm 2021年  -
2017年 0 2022年 10cm
2018年 23cm 2023年 -
2019年 0 2024年 8cm

参考:気象庁

前述で紹介した2014年のほか、2018年の1月22日~23日未明にも、東京で20cmを超える積雪が観測されました。

この影響で高速道路では通行止めが多発し、さらには800件以上の交通事故が発生しました。

レインボーブリッジでは、約50台の車がほとんどノーマルタイヤで立ち往生。

また、22日~23日の2日間で国内線が400便以上欠航になり、成田空港では約9,900人が空港で一晩を過ごす状況に陥りました。

雪に不慣れな東京では少しの積雪でも危険

今回紹介した大雪記録については、予報が外れ想定外の大雪となったケースもあります。

東京や関東では雪に不慣れなため、少量でも積雪があると交通事故が発生するリスクが高くなります。

東京では万が一大雪が発生したときに備え、一人ひとりが対策や備蓄などをしっかり整えておくのが重要です。

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