「一人暮らしは無理だった、やめて実家に帰る」という選択は、経済的な安定や家族のサポートが得られる一方で、自由がなくなったり「甘えだ」という声も見られます。
しかし、実家に戻ることは決して恥ずかしいことではなく、筆者の経験ではむしろ将来のために必要な選択肢のひとつでした。
この記事では、一人暮らしをやめて実家に帰るか悩んでいる大学生・新卒・30代40代の方へ、実体験を交えた判断基準を解説します。
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【実体験】「実家に戻ることが恥ずかしい」は間違い
一人暮らしをやめて実家に帰ることは、決して甘えではありません。
ここでは、筆者が実体験を通して感じたことを紹介します。
心身をやられ、1ヶ月間実家に戻り生活
筆者は東京で一人暮らしをしながら、20代のときに2回転職しています。
1回目は新卒で入った会社を辞め、2年ほど失業保険→フリーターの生活を送ったあと就職しました。
詳細はこちらの記事をご参照ください。
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フリーターの一人暮らしは出費がきつい!東京暮らしの実体験
さらに2年後その会社を辞め、3ヶ月後に新たな会社へ再就職しました。
この再就職までの3ヶ月間のうち、1ヶ月だけですが一人暮らしから実家へ戻り生活していました。
筆者はいわゆる「ブラック企業」で働き続け、心身ともにかなり疲弊していたため、親からの誘いもあり一旦実家へ戻ることにしました。
このときはまだ、一人暮らしを続けるか実家に戻るのか、はっきりとは決まっていませんでした。
のんびり生活で思考力がリフレッシュされた
筆者は進学で上京しそのまま東京で就職したので、実家での生活は7年振りくらいです。
東京での暮らしに染まりすぎていたせいか、田舎暮らしは時間の流れがとてもゆっくりに感じました。
さらには、都会よりも空気が澄んでいるため、毎日ボーっと過ごすだけでも心が浄化されるようでした。
「自分はこんなにも、都会の慌ただしさに洗脳されていたのか…」という気持ちに。
また実家には大好きな犬もいたので、一人暮らしではできない犬の散歩も毎日楽しみました。
このような感じで、実家でのんびりとマイペースに過ごすうちに、リフレッシュした頭で今後のことを冷静に考えられるようになりました。
実家へ戻る=体勢を立て直すチャンス
親は筆者を気遣ってくれ「いつまででもいていいから」と言ってくれていました。
しかし実家暮らしを続けるにしても、目的や展望をここでしっかり決めないと意味がないと思いました。
じっくりと考え、やはりこれまでの経験を活かしていきたいと思い、働き口が豊富な東京へ戻ることに決めました。
地元でバイトなどを探す選択肢もありましたが、年齢を重ねるほど就職は厳しくなるのでやめました。
筆者は「実家へ戻ることは恥ずかしい」のではなく「実家に帰って体勢を立て直す」という感覚でいいと思います。
筆者が一人暮らしから実家暮らしに戻った期間は1ヶ月だけでしたが、半年や1年以上続いていたとしても、今となってはまったく問題なかったです。
実家へ戻らず、そのまま無理に一人暮らしを続けていたら、今頃もっとしんどい状況になっていましたね。
周りの声は気にしなくていい
世間では「実家暮らしは甘え」「実家暮らしの男はやばい」と言う人もいます。
しかし、必ずしも「自立=一人暮らし」ではありませんし、他人からどう思われようと実家に頼れるなら頼りましょう。
一人暮らしの同級生や同僚の中には「浪費癖が強く借金を背負う」「生活がルーズすぎて堕落していく」といった人もいました…。
一人暮らしを続けるにしてもやめるにしても、一旦実家へ戻って暮らすことは「将来設計のための選択肢のひとつ」ととらえてみてください。
周りが何を言おうと生きていくのは自分です。
自分は実家に戻った方がいいのかお悩みの方は、このあとの解説を参考に検討してみてください。
一人暮らしをやめて実家に帰るべきか、検討するタイミング
前述の通り、一人暮らしをやめるにしても続けるにしても、実家へ戻ることは体勢を立て直すチャンスです。
一人暮らしをやめて実家に帰るか検討するタイミングについて、20代・30代・40代それぞれの状況と併せて見てみましょう。
実家帰りを検討するタイミング
- 経済的負担が大きく生活が困難
- 将来の目標のために貯金したい
- 孤独感や不安に耐えられない
- 資格の勉強などに集中したい
- 設備が整った家で快適に生活したい
- 職場は実家からでも通える
- 健康上の問題がある
- 親の介護が必要
20代:進学や就職での新生活
20代は進学や就職を機に、一人暮らしを始める人が増えます。
初めての一人暮らしでは不安や孤独を感じやすかったり、また環境変化にうまく対応できなかったりで、ホームシックになりがちです。
都会での一人暮らしに憧れがあったのに、実際に生活してみると地元の過ごしやすさに気付くことも。
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一人暮らしのホームシックはいつまで続く?実体験と平均割合
また、学生であれば仕送りを十分に受けれる場合もありますが、生活費を自分でまかなうことが難しい場合も。
特に新社会人は収入にあまり余裕がなく、経済的な負担が思ったより大きくなるケースも少なくありません。
社会人の一人暮らしはただでさえメンタルを病みやすいので、実家に戻り経済的にも精神的にも安定を図る選択肢は大いにアリです。
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社会人一人暮らしは誰でもメンタルを病む!乗り越えた実体験
30代:キャリアとライフスタイルのバランス
30代になると、キャリアやライフスタイルの変化により、一人暮らしをやめて実家に戻る場合があります。
例えば転職活動や起業の準備中に、安定した収入を得られるまで実家に戻り経済的な負担を減らす、などです。
特に都会での一人暮らしは、収入がないと貯金はあっという間になくなります…。
また30代は、結婚・出産・育児・住宅購入などのライフステージに進む人が多くなるため、結婚資金を貯めるために一度実家へ戻るケースもあります。
40代:再就職が難しい・離婚・親の介護
40代で仕事を辞めると、20代30代に比べ応募できる求人が激減するなど、再就職がかなり厳しくなります。
また、離婚して「もう結婚はしたくない、諦める」と、40代から実家暮らしを選ぶ人も。
さらには、この年代になると親の介護が必要になることが多く、実家に戻り地元で働きながら親をサポートする人が増えています。
親と離れた土地で暮らしながら、定期的に帰省して介護する「遠距離介護」という方法もあります。
一人暮らしをやめて実家に帰るメリット・デメリット
実家暮らしのメリット
- 生活費を大きく削減できる、貯金しやすい
- 風呂・トイレ・家具などの設備が整っている
- 孤独や不安を感じにくい
- 食生活が乱れない
- 体調不良時や緊急時に頼れる人がいる
- 趣味や勉強に集中できる時間が増える
実家暮らしなら家賃・光熱費・食費などが大きく削減されるため、収入が不安定・貯金が必要などの状況では非常に心強くなります。
お金に不自由しなければ、心にも余裕が生まれます!
食生活が乱れやすい一人暮らしでは、自炊していてもどんどん太ってしまうこともありますが、実家暮らしならそのような心配は軽減されます。
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また一人暮らしで風邪を引いたり、突然の災害に襲われたりしたらとても不便ですが、実家であれば家族に頼れる点も魅力。
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ちなみに筆者の友人で、20代で一度実家に戻りアルバイトをしながら資格を取り、現在は独立して事務所を営んでいる人がいます。
実家暮らしのデメリット
- 自由度やプライバシーが制限される
- 外出時や誰かを家に呼ぶ時など、家族の干渉を受ける
- 田舎の場合、都会よりも仕事が見つかりにくい
- 依存しすぎると自立心が弱まる
- 「自立していない」というイメージを持たれる可能性がある
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ある程度一人暮らしを経験すると、実家で自由が少なくなったり、家族のリズムに合わせたりすることがストレスになる可能性も。
また、実家暮らしは経済的には助かるものの、依存しすぎると家事や金銭感覚が鈍ることが考えられます。
筆者の実家の地域では、正社員募集の職種がかなり限られていました。
一人暮らしから実家に戻った場合の注意点について、次の項目で詳しく解説します。
一人暮らしから実家に戻るストレス&対処法
一人暮らしから家族との共同生活に戻ると、物理的な距離だけでなく精神的な距離も近くなりすぎる可能性があります。
一人暮らしのような自由な時間・空間を確保するには、下記のようにお互いの要望やルールを明確にし、納得する方法を決めておきましょう。
- 集中したい・リラックスしたいときは、部屋に入らないようお願いする
- 食事・掃除・洗濯などは、スケジュールを組んで家族で分担する
- 自分の収入や貯金に応じて、家の生活費を負担する
自分のプライバシーを尊重するだけでなく、家族への配慮も明確に示すことで、双方のストレスが減ります。
たとえ親子であっても快適な共同生活を送るためには、最初にしっかりルールを決めておくことが重要です。
ただし、一人暮らしを一度経験している人であれば、家事やお金での苦労は身に染みているはず。
少ない生活費で住まわせてもらえることを考えれば、家事分担はそれほど苦にならないでしょう。
ちなみに、筆者が1ヶ月だけ実家に戻ったときは、結婚についてしつこく言及されました。毎日のように言われたので、やっぱり一人暮らしに戻りたいと思いました(笑)
一人暮らしを完全にやめて実家へ戻る場合の準備
一人暮らしをきっぱりやめて実家に帰るのであれば、家電・家具の処分や引っ越し費用についても確認しておきましょう。
家電・家具の処分
一人暮らしをやめて実家に戻る際、家電・家具の処分が厄介です。
実家に持ち込むスペースがないのなら、処分や売却を検討しなければなりません。
①粗大ゴミ
粗大ゴミシールを購入して貼り、自宅前などに置き指定日時に回収してもらいます。
サイズが大きいものは数百円程度かかりますが、家電・家具の一般的な処分方法と言えます。
※テレビ・冷蔵庫・洗濯機・パソコン本体などは、粗大ゴミとして処分できません。
筆者は、大きなものは基本粗大ゴミで出してますが、冷蔵庫や洗濯機は買い替え時に引き取ってもらっています。
②リサイクルショップの出張買取サービス
商品の状態が良ければ、リサイクルショップに売却して収入を得られる可能性があります。
自宅で査定してそのまま引き取ってもらえるので、大型の家具・家電でも安心です。
③不用品回収業者
不用品回収業者に連絡して来てもらうか、業者のトラックが近所を巡回していたら、頼んで引き取ってもらいます。
ただし「引き取り無料」となっていても、商品によっては高額費用が発生するケースも。
事前に料金設定や業者の口コミなどを確認し、見積を取るなど慎重に決めましょう。
④フリマアプリ・ネットオークション
フリマアプリやネットオークションはスマホからでも出品しやすく、また不用品処分で収入を得られます。
入札により思わぬ高値が付くケースもあるものの、各種手続きの手間や落札者とのトラブル発生などは懸念点。
⑤知人に譲る
家電・家具を知人に譲れば、お金をかけず引き取りの手続きなども不要で処分できます。
ただし、運び出しのためのトラックやレンタカーの手配が必要な場合も。
引っ越し費用
引っ越しシーズンの2~4月は依頼が集中するため、料金が通常よりも1万円程度高くなります。
そのため引っ越しはできれば5月~1月を狙い、どうしても繁忙期になる場合は、依頼が特に集中しやすい「3月下旬~4月上旬頃」を避けたタイミングにしましょう。
また、荷物量が同じでも業者によって費用が変わるため、少しでも安くしたいなら複数の業者から見積もりを取るのがおすすめです。
荷物の量が少なければ、その分引っ越し費用も安く済みますよ。
まとめ
「もういい年なのに、今さら一人暮らしをやめて実家に戻ることは甘えだ」という人もいます。
しかし、人にはそれぞれ色んな事情がありますし、家族との関係は他人が口出すすることではありません。
ただし、実家に戻るとしてももう子供ではないので、たとえ家族でも必要以上に頼りすぎないよう気を付けてください。