一人暮らし女性の中で「ベランダの防犯対策を怠っている」「高層階は侵入されないと思い込んでいる」などの隙を与えている人は、不審者にベランダから侵入されやすくなります。
近年では女性を狙った性犯罪だけでなく、強盗目的でベランダから侵入する事件も増えているため、階数にかかわらず防犯意識を強く持たなければなりません。
この記事では、女性一人暮らしのベランダ防犯対策に加え、賃貸でもすぐ使えるグッズについても紹介します。
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女性の一人暮らしにおけるベランダ防犯の重要性
不審者は「ベランダは防犯対策を意識していない人が多い」「高層階は侵入されるわけがないと思い込んでいる」などの隙を突いて、ベランダからの侵入を狙ってきます。
女性への犯罪被害は室内で多く発生している
警視庁の資料によると、女性が強制わいせつ・強姦などの被害を受ける場所について、道路上に次いで多いのが住宅内です。
帰宅が遅くなると夜道は警戒する女性も多いと思いますが、リラックスできるはずの自宅でも犯罪被害に遭う可能性があります。
さらに被害者女性が大学生以上の場合、面識のない人に室内へ侵入され襲われたケースが多発しています。
住宅内での性犯罪・発生場所別割合(大学生以上の女性)
室内・その他 | 49% |
エレベーター・廊下・階段 | 16% |
エレベーターホール・エントランス | 15% |
敷地内 | 10% |
追尾して室内へ | 6% |
駐輪場・駐車場 | 4% |
10階以上のベランダまでよじ登る侵入者も
夏の暑い夜など「エアコンを入れるほどじゃないけど、窓を開けて涼しみたい」という日もありますよね。
しかし、2階以上の部屋だからと安心して、窓を開け網戸+カーテンなどの状態にしておくのは要注意です。
侵入者は、下記のようなあらゆる手段を用いてベランダまでよじ登り、中には10階以上の部屋に侵入するケースも。
- 塀・室外機・ゴミ置き場などを伝って登る
- 足が掛けれるところを見つけてよじ登る
- 配管や雨どいをよじ登る
- 非常階段や隣接する建物からベランダへ飛び移る
- 敷地内の木を登る
- 屋上からロープを使い高層階のベランダへ降りる
タワーマンションの高層階や最上階の部屋であっても、屋上からロープを使って侵入された例があります。
中には、周囲から見えないような構造のベランダもありますが、逆に侵入できてしまえば隠れやすくなるため、完全に安心とは言えません。
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強盗目的の侵入も増えている
近年、闇バイトなど強盗目的でベランダから侵入されるケースも増えています。
闇バイトとは
2023年7月、墨田区のタワーマンション低層階に強盗がベランダから侵入し、現金や腕時計など約3,110万円相当が盗まれる時間がありました。
警察の捜査によると、防犯カメラに男3人がベランダへ侵入する様子が映っており、マンションの修繕工事用の足場を利用していたとのことです。
ベランダは無施錠だったそうですが、防犯性が高そうなタワーマンションだったため油断していたのかもしれません。
また2016年には、横浜のタワーマンション最上階の38階のベランダに侵入された事件も。
侵入者は屋上からロープを伝ってベランダに降り、無施錠の窓から侵入し現金や貴金属を盗みました。
高層階だからと防犯意識を緩めず、との階であっても用心に越したことはありません。
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ベランダ防犯に効果的なグッズ【①万が一侵入された時の備え】
警察庁の資料によると、共同住宅で侵入者が入ってくる場所のうち、表出入口に次いで多いのが窓です。
ここでは、万が一不審者がベランダへ侵入してきたときに役立つ、女性一人暮らしにおすすめのベランダ防犯グッズを紹介します。
「防犯フィルム」で窓を割らせない
窓の鍵をしっかりかけていても、一般的なガラスの場合は簡単に割られてしまう恐れがあります。
しかし防犯フィルムを窓に貼っておけば、金属バットなどで叩いてもすぐには破れず時間がかかります。
警察庁によると、侵入に5分以上かかると泥棒の7割が犯行を諦めるとされているので、防犯フィルムにより侵入者が犯行を断念する可能性が高まります。
侵入に手間取り、侵入をあきらめる時間について「2分」と答えた元泥棒が約17%、「2分を超えて5分以内」と答えた元泥棒は約51%となっています。つまり、泥棒の攻撃に対し建物部品が「5分」耐えることができれば、約7割の泥棒が侵入をあきらめるということなのです。
引用元:警察庁 住まいる防犯110番
\取付簡単&多層構造で壊れにくい/
「補助錠」で窓を完全に開けさせない
補助錠は窓の開閉部分に取り付けることで、窓を完全に開けられなくするアイテムです。
窓の開閉がスムーズにできないだけで、侵入者が犯行を諦める可能性が上がります。
また、窓を少し開けた状態で窓枠をロックできるため「部屋を換気したいけど、窓を開けたままにしておくのは不安」などのシーンでも活躍。
補助錠は窓内側の鍵から離れた場所に取り付ければ、侵入者は鍵に手が届きにくくなります。
\傷を付けず賃貸物件でも使いやすい/
「窓用防犯アラーム」で侵入者を威嚇
闇バイトの強盗は、窓ガラスを割って室内へ侵入したケースが多く見られました。
窓ガラス自体を強固なタイプに変えるのは難しいですが、窓用防犯アラームはお手頃価格&簡単に設置できるため、賃貸物件でも導入しやすいのが魅力。
窓が割られるなどの衝撃を受けると、侵入者を大音量で威嚇できます。
なお「強風や大型車通行などの衝撃で作動してしまうんじゃないか」と気になる方もいると思いますが、誤作動に強い窓用アラームもあります。
\誤作動に強い・高精度・薄型/
「防犯砂利」で足音を察知
防犯砂利とは、少し踏むだけで足音が大きく響くよう作られた砂利です。
ベランダに敷いておけば侵入者の足音を察知できたり、また侵入を諦めさせたりする効果があります。
大きな音が出やすいガラス製や、雨や劣化に強い天然石製などがあるので、環境やコストに合ったタイプを選ぶといいでしょう。
\軽くて固いベストセラー商品/
「忍び返し」で物理的に防犯
忍び返しとは、ベランダの手すりや塀の上に設置する、尖った金属や木の防犯器具です。
侵入を防いだり、また侵入者がベランダを乗り越えようとすると怪我を負わせ、血液から身元を特定できる場合も。
実際に、泥棒が下着を盗んだ際に忍び返しが腕に刺さり、血を流した状態で倒れていたという事件がありました。
【余罪追及へ】「忍び返し」腕に刺さり路上に倒れる…下着盗んだ男逮捕 京都https://t.co/DMWz4mR3dT
— ライブドアニュース (@livedoornews) November 7, 2023
警察などによると、容疑者は下着を盗んだ際に、不審者の侵入を防ぐ「忍び返し」が腕に刺さったとみられ、血を流して路上に倒れていたところを通行人に発見された。 pic.twitter.com/JwpkuwxMxY
ただし、物件によっては忍び返しの設置を認めていない場合もあるので、大家さんや管理会社に相談してみましょう。
ベランダ防犯に効果的なグッズ【②日常的な備え】
女性の一人暮らしでは、ベランダにセンサーライトや防犯カメラ・シールなどのグッズもあるとより安心です。
人感センサーライト
人の存在を感知して点灯するセンサーライトがあれば、光で侵入者を牽制させられます。
またセンサーライトが人を明るく照らすことで、通行人や近隣住民が不審者の存在に気付けるかもしれません。
賃貸物件の場合は、壁に穴を開ける必要がないフックタイプやベルト固定タイプが便利です。
\物干し竿にも掛けれるハンガー型/
ダミーカメラ・防犯カメラ作動中シール
ベランダに防犯カメラがあれば侵入抑止効果が上がりますが、賃貸物件では後付けができないケースも少なくありません。
もしプライバシーの面で防犯カメラ設置が許可されない場合は、ダミーカメラ設置が可能かを大家・管理会社に確認すれば認められることもあります。
ダミーカメラ設置も難しい場合は防犯カメラ作動中シールを貼っておくだけでも、不審者に「この部屋は避けよう」と思わせることが可能です。
\劣化に強い&反射機能有り/
ベランダ目隠しシート
ベランダが柵状になっていると、特に1階の部屋はプライバシーが守られにくくなります。
しかし目隠しシート(シェード)で覆えば、路地や隣家からの視線をシャットアウトできます。
また、uvカット率が高く遮光性に優れたタイプであれば、夏場は涼しく快適に過ごせるでしょう。
防犯ネット
カラス・ハトの侵入防止や、ペットの脱走防止を目的としたベランダ用ネットがありますが、侵入者への防犯対策にもなります。
フックやクリップで固定するだけで設置できるため、女性一人でも取り付けやすいでしょう。
目立たない黒色や、眺望の妨げにならない透明タイプなどがあります。
遮光カーテン・ミラーレスカーテン
カーテンは室内のプライバシーを守るだけでなく、防犯面でも重要な役割を果たします。
まず、花柄・ハート柄・ピンクなど、女性が住んでいると感じさせるデザインは避けるのが無難。
防犯性を高めたい場合は、室内が透けて見えにくい「遮光カーテン」や、昼間でも外から室内が見えにくい「ミラーレスカーテン」がおすすめです。
ベランダが汚れている部屋は狙われやすい
ベランダが汚れていたり散らかっていたりすると「ベランダの防犯対策を怠っているだろう」と判断され、不審者に狙われやすくなります。
さらに「ベランダが汚い=部屋も散らかっているだろうから侵入しやすそう、何か盗んでもバレなそう」という印象を与えることも。
また、植木鉢や不燃ゴミなどをベランダに置いておくと、窓を割る道具にされる可能性もあります。
ベランダ整理のポイント
- ベランダにゴミや掃除用品などを極力置かない
- 植木鉢を置く場合は最低限にとどめる
- 年末年始や大型連休など、しばらく留守にする場合はきれいな状態にしておく
そろそろ年末の帰省の日程決めたりする人多いだろうけど、今日から「1日1個」ベランダに置いてあるいらんモノ捨てておくと防犯になるよ🙌
— 華|汚部屋、片付けたから見て (@hana__heya) November 27, 2024
・100均のボロボロの壊れたほうき
・割れてるプラスチックのチリトリ
・完全に枯れてる植木鉢
・あとで捨てようと思ってた100円のゴミ箱
があると危ない😔 https://t.co/es4lIIoSZF pic.twitter.com/GljkHoJZOO
賃貸物件で防犯対策をする場合の注意ポイント
賃貸物件ではさまざまな制限やルールがあるため、防犯対策でも注意しなければならないポイントがあります。
設置・取り付け時の注意ポイント
大家や管理会社に確認する
部屋の一部に穴を開ける等の作業をする場合は、事前に大家や管理会社に相談しておくのが確実。
無断で進めるとあとでトラブルになる可能性があります。
物件がより良くなるようなリフォームであれば、むしろ賛成してくれる場合も。
原状回復費用が発生しない程度にする
防犯性が高い対策はそれなりの工事が必要なので、退去時に原状回復費用がかさむことが考えられます。
まずは簡単に取り外せる防犯フィルムや補助錠で対策を行い、さらに必要であれば防犯性の高い対策を検討するのがいいでしょう。
近隣トラブルに注意する
窓用防犯アラームやセンサーライトなど、騒音や光を発するグッズは近隣トラブルに発展する恐れがあります。
また、防犯カメラはプライバシーの問題にもかかわるため、設置する際は近隣住民に理解を求めるなどの対策が必要です。
物件選び時の注意ポイント
ベランダへ侵入するための足場になるようなものがないか
ベランダへ侵入できそうな足場が近くにあるとリスクが高くなります。
物件内だけでなく、周囲の環境にも目を配りましょう。
侵入の足場になるもの
- 塀
- エアコン室外機
- ゴミ置き場
- 非常階段
- 配管、雨どい
- 登りやすい木
- 隣接する建物の踊り場や非常階段
セキュリティ設備が整っているか
内見時にベランダのセキュリティ設備もチェックしておけば、自分で後付けなどをする手間が省けます。
チェックポイント
- センサーライト
- 防犯カメラ
- 防犯ガラス、シャッター 等
「ベランダの構造が防犯に配慮されているか」「隠れられそうな死角がないか」なども確認しておきましょう。
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共用部の管理が徹底されているか
「ゴミ捨て場がいつも散らかっている」「通路の電球が切れたままになっている」など、共用部の管理が不十分である物件は要注意。
管理人や他の住民も防犯に対しての意識が弱く、不審者がいても警戒心を持たないかもしれません。
一方で共用部の管理が隅々まで行き届いた物件であれば、不審者が侵入しにくい環境である可能性が高くなります。
一人暮らし女性が備えたいベランダ以外の防犯対策
ベランダ以外の一人暮らし女性向け防犯対策を簡単に紹介します。
なお「女性向け防犯対策の完全版」はこちらの記事で詳しく解説しているので、併せてご参照ください。
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女性の一人暮らしで危ない&狙われる要因と防犯対策38選
①部屋探し編
内見は物件だけでなく、下記の周辺環境もチェックしておきましょう。
- 周辺に24時間頼れそうな交番やコンビニがあるか
- 小学校や保育園が近いか(比較的治安が良い地域)
- 夜道は街灯が十分にあるか
- 夜の駅前や繁華街の治安は問題なさそうか
内見は家族や友人と一緒に見てもらうと、自分が気付かない盲点に気付いてもらいやすいですよ。
②物件編
より防犯性を高めたい場合は、ドアスコープやドアポストの対策も必要です。
- 無施錠による侵入窃盗が多いため、必ず施錠する
- オートロックでも防犯は完全でないため油断しない
- ドアスコープやドアポストからの盗撮・のぞき対策をする
- エレベーターに乗るときの対策を覚えておく
疲れている・酔っているなどの状態で施錠忘れが不安な方は、ドアを閉めると自動施錠してくれる「スマートロック」が便利です。
③生活編
女性の一人暮らしでは、配達員・業者・店員とのトラブルも発生しやすいため注意が必要です。
インターネット環境を整えたい場合は、ホームルーターであれば光回線のような工事は不要で利用できるため、業者と接する必要がありません。
コンセントに挿すだけでWi-Fiの電波が利用でき、また初期設定が簡単なので、機械操作が苦手な方でもすぐ利用できます。
【関連記事】一人暮らし向けホームルーターおすすめ7選!容量無制限のみ
④外出編
女性が特に狙われやすいのは、夜遅くの帰宅時。対策を万全にしておく必要があります。
- 帰宅時の注意点を徹底する
- すぐ使えるよう防犯グッズを携帯する
- 鍵の管理を厳重に(製造番号を知られると本人以外でも合鍵を作れる)
- 夜間のコンビニやスーパーは注意する
- 帰宅時の電気を点けるタイミングに注意する
- スマホを見ながら、音楽を聴きながら歩かない
電気点灯による部屋の特定を防ぐには、外出先から時差で照明を操作できる「スマート電球」が便利です。
まとめ
低層階でも高層階でも、今の時代はいつベランダから侵入の被害に遭うか分かりません。
特に女性の場合は、補助錠や防犯フィルムなどで対策を万全にしておきたいところです。
一人暮らしの防犯対策は、小さな習慣や対策の積み重ねが大きな安心につながるため、まずはできる対策から少しずつ初めて防犯意識を高めていきましょう。