梅雨や湿度が高くなりやすい時期は、部屋の湿気対策がとても重要です。実際に「マンションに住み始めてすぐ、衣類や靴が半分以上カビだらけになってしまった」という例も。
この記事では、部屋の湿気を放置したらどうなるのか、また湿気への対策やおすすめグッズなどを詳しく解説します。
部屋の湿気を放置した場合のリスク

部屋で湿度が高い状態を放置していると、下記のリスクが考えられます。
- カビ・ダニによる健康被害
- 熱中症、倦怠感、食欲不振など
カビの発生による被害
部屋の湿度が高くなるほどカビが多く発生します。ウイルスや細菌などの微生物は数日~数週間で死滅するものの、カビは数ヶ月~数年間と非常に長い期間生息します。
カビは湿気が多い梅雨の時期だけでなく、秋雨や冬の時期も結露により発生しやすいためご注意ください。
カビが原因で起こり得る健康被害
- 感染症(皮膚の表面、爪、毛などに感染)
- 中毒症状(肝臓がん、腎臓がんなど)
- アレルギー(喘息、アトピー性皮膚炎、過敏性腸症候群など)
- シックビル・シックハウス症候群(咳、湿疹、倦怠感、頭痛、めまいなど)
また、カビによって食品を腐らせたり、クローゼット内や下駄箱内の収納物を劣化させたりなどのトラブル例も見られます。

ダニの発生による被害
ジメジメした湿度が高い部屋では、ダニの繁殖が活発になります。特に高温多湿となる梅雨時~夏にかけては、たくさんの卵を産みつけ一気に繁殖するのが特徴です。
ダニの寿命は2~3ヶ月程度ですが、梅雨時~夏の最盛期には4ヶ月で450万匹ほど増殖すると言われています。

大量に発生したダニを捕食しようと、ムカデやヤスデが室内に浸入してくる恐れも。
ダニが原因で起こり得る健康被害
- アレルギー(喘息、アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎、アトピー性皮膚炎など)
- 腫れやかゆみ
大半のダニは、人間の生活に被害を及ぼすほどではありません。ただし、繁殖期はダニの体・抜け殻・死骸・糞などを吸い込み、アレルギーを引き起こす問題が危惧されます。
特に子どもはダニを吸い込みやすく、小児喘息の原因はほとんどがダニであるとも言われています。

熱中症・倦怠感・食欲不振など
カビやダニによる健康被害以外にも、湿度の高さによって下記のような症状が考えられます。
カビ・ダニ以外の症状
- 汗が蒸発しにくくなり熱を外へ逃がせず、熱中症になる。
- 血液の循環が悪化し、倦怠感や疲労を感じやすくなる。
- 自律神経の乱れにより、食欲不振や不眠に陥る。

熱中症は暑い日の屋外だけでなく、梅雨時の屋内で発症するケースも珍しくありません。
湿気がたまりやすい部屋や場所|実際のトラブル例も

カビ・ダニの発生や健康被害を防ぐために、湿気がたまりやすい部屋や場所を知っておきましょう。
湿気がこもりやすい場所
- クローゼット、押し入れ
- 水回り(台所、洗面所、浴室など)
- 下駄箱
- 窓の周辺
- 北向きの部屋
クローゼットや押し入れなどの密閉空間では、空気が循環されず湿気をためてしまいます。水回りの中でも、台所や洗面所のシンク下は特に湿気がたまりやすいので、カビの発生を促進します。
下駄箱内は掃除をしない方も多いですが、足の汗を吸った靴を置いておくと、知らない間にカビが生えていることも。
1階の部屋は湿度が高くなりやすい

アパートやマンションの1階は地面に近いため、雨や雪で濡れた地面から湿気を取り込みやすくなります。
1階で実際にあったトラブルの例
- 1階北側の部屋に住み始めてまもなく雨が降り、1日足らずでクローゼット内の衣類や靴がカビまみれになった。
- 最初は何ともなかったが、梅雨から夏の時期に入ったとき、台所のシンク下に収納していたキッチン用品がカビてしまった。
- 適度に換気をしていたのに、気付いたら収納していた衣類や靴がカビだらけになっており、半分以上を捨てるはめになった。

1階は、防犯のため窓を開ける頻度が少なくなる点も、湿気をためやすい原因のひとつです。
新築物件は要注意?
新築マンションに住み始めたところ、気付いたら衣類や布団がカビだらけになっていたという例があります。新築であれば最新の設備が整っていそうなのになぜ?と疑問に思いますよね。

マンションがコンクリート構造の場合、新築や築年数が浅い物件は注意が必要です。
コンクリートが完全に乾燥するまでの数年間は水分が蒸発するため、湿気を引き起こす原因となります。また、マンションは気密性が高い傾向にあり、湿気を外へ逃がしにくい側面も。

どうしてもカビが気になる方は、新築物件は避けるか、前もって対策などを検討した方が良いでしょう。
部屋の湿気対策とおすすめグッズ

ここでは、部屋の湿気対策・湿気取りとして効果的な方法や、湿度を下げるのに役立つおすすめグッズを紹介します。
窓やドアを開けてこまめに換気する
湿気がたまりやすい時期は、窓やドアを開けて空気の通り道を作り、湿気を逃がしてください。5~10分程度の換気を1時間に1~2回行いましょう。
雨の日でも激しい土砂降りでなければ、こまめな換気が必要です。

花粉シーズンに窓を開けたくない方は、花粉の飛散が少ない朝や夜などに、短時間だけ換気をするのがおすすめです。
扇風機やサーキュレーターで空気を循環させる
窓が小さい部屋や風通しが良くない場合は、扇風機やサーキュレーターを使い風を送りましょう。窓がないクローゼットや押し入れでも、中に風を送ると湿気を除去できますよ。
また、窓やドアで換気できる部屋であれば、機械で空気を循環させることでより高い除湿効果が得られます。
除湿機で湿度を効率よく下げる
除湿機を1台持っておけば、部屋の湿度を手っ取り早く下げるのに役立ちます。また、カビ・結露の抑制効果や、部屋干しに便利な衣類乾燥機能が付いたタイプも。
電気代は除湿方式によって異なりますが、1日4時間稼働した場合、1ヶ月あたり約720~1,060円ほどが目安です。
除湿機はモデルによって、下記のようにさまざまな特徴があります。
①軽量&コンパクトながらカビ対策や衣類乾燥機能も備えたタイプ
②年間を通して使える高性能なハイブリッド式
③一人暮らしにもピッタリな省スペース&静音設計タイプ
場所に合わせやすい除湿剤を使う
部屋が狭い、あるいはクローゼットや下駄箱などの湿気取りをしたい場合は、シーンに合わせやすい除湿剤がおすすめです。
除湿剤のタイプは下記をご参照ください。
①置き型タイプ|押し入れ、キッチンのシンク下など
②吊り下げタイプ|クローゼット
③薄型タイプ|タンス、衣装ケースなど
④コンパクトタイプ|下駄箱、狭い場所など
カビが発生してしまったときの注意点
部屋でカビが発生しているのを見つけても、掃除機で吸うのは絶対避けてください。吸い込んだカビが排気口から部屋中に飛び散ってしまい、状況が余計に悪化してしまいます。
もしもカビが発生してしまったら、生えている場所や物それぞれに適した方法で除去しましょう。